凡人の刃ブログ

アニメ、ゲーム、旅行、料理

手軽に素人が評価できるってこと 海辺のエトランゼ 感想 途中からネタバレあり


こんばんは
今回は今アマゾンプライムにある『海辺のエトランゼ』を見ましたって話です


内容としては青春恋愛ものとなっていて、男性同士の恋愛所謂BLを描いた作品です
↓予告編(公式サイトから)



映画『海辺のエトランゼ』本予告(60秒)
舞台は沖縄のとある離島でメインの登場人物は主人公は小説家の橋本駿、相手となる人物は両親を失った男の子知花美央の2人
映画の時間自体は59分と短めです
原作は漫画で、読み切り予定が人気が出たため定期連載になったのだとか現在はその後日談である『春風のエトランゼ』が連載されているとのこと



さて、ネタバレ無しの感想ですが
時間に関してはもう少しとって詳しく描いた方がよかったのではないかと思う一方、見ていると入れ込んだだけで内容に上手く機能できていないエピソードだったり場面があるので(入れ込むことに意味がない、キャラの掘り下げにもならない)そこを削って掘り下げを行えれば、キャラクターへの感情移入だったり、ストーリーの蛾より鮮明に入ってくると思うのでバランスを整えたうえで削るところは削る、必要な情報だったりエピソードが(設定でもあるなら)挿入することがいいかと
読み切りから連載となった作品では一部不整合がある作品があったりしますが、映像化するにあたってそこは解消できるかと
内容がBLということもあって、わからない興味がないという人はいるかと思います
私自身もヘテロですし、よく読むということではないのでBL関係には詳しくありません
ただ、そのこと自体は作品への評価には関係ないと思います
これがまず根本にある私の考えなのですが
なので、BLが苦手という人、見る気がないという人はまあこの時点で見ないという選択をするか、見たとしても評価にそこを持ち込んではいけないと思います
個人のジャンルの好き嫌い、作品の好き嫌いは評価に関係ないわけです
評価にそこを持ち込んではいけない
百歩譲って感想ならいいでしょう
ただその感想ですらも、人の目につけば作品を見ようとしている人だったり作品の評判に関わるわけですよ、まあまともな人間ならそれを見てもそれだけでダメとは言わないはずですが


そういう点をわからないやつは何も言うな!!


厳しく言うとこうですね、これはBL作品以外にも、なろう作品などがなろう作品だというだけで低評価という人がいます
最近は、素人が簡単に評価ができる時代ですからそこは最低限ちゃんとしなければけないと思います
ペーペーの素人のプロの批評家でもない人間のただの好き嫌いが評価として表示されてしまうのは作品、作者の対してとても失礼です
勿論プロは好き嫌いで評価しないだろっていう前提ですが


熱く語ったあとで、まあどうしてこう熱くなったかと言えば
そもそも最近の評価事情で考えてもこういった感じという以上にアマプラでの評価している人たちが質が低いことが多いです
また、プライムだけでなくDVDだったりBDの評価もあるので配達の仕方とかが評価に入って星がついたりするのでまず、作品自体に対する評価とサービスに対する評価を別にして欲しいっていうのはアマゾンに対して思うことではありますが


低評価で多かったのがBLだと思わなかったからBLだったから低評価
途中で見るのやめた(BLだから)
これが一番多かったです
それはてめぇの問題だろと
評価を残すのなら、作品に対してBL作品だったらBL作品であるという上で評価(なろうとか他のジャンルでも同じ)するべき
プロでもないのに最初の部分だけ見て評価なんてできるわけがない!!


なので普段はあまり評価については見ないのですが、今回は自分でみて低評価というよりも高評価している人はどこを見ているか気になったんですが
そこでも同じ問題が多々あったんですよね
低評価の人はBLが嫌いだから低評価していたわけですが、好きだから高評価というのも違うと思います
勿論好きだと高評価になりがちだろうというのはわかりますが……
でも評価に残すのなら、ストーリーにこういった不満があるといくつか書かれているのにっ評価は5
1面しか見ないで高評価っていうのが多かったんですよね
それも違うだろと
ただ評価が高ければ作品、作者にとっていいということでもないと思うんですよね
宣伝は良いと思いますが


あとは性愛に関する上下関係みたいなことを書いている人もいまして(高低関わらず)
作品がそういった主題であればそれは考察だったりになるわけですがそういう作品ではありません
この作品は別に、異性愛より同性愛が良いものであると書いてるわけでは無いですから。同性愛礼賛みたいな評価もおかしいと思います
異性愛との関り、自分が異性愛でないことへの葛藤が描かれていますが、それはどっちが上とかではなく主人公が同性愛者であったというだけであって主人公が異性愛を否定しているわけでもありませんし


この作品は異性愛と同性愛両側面から描かれているわけです
そのどちらかがいいとかいう議論ですらない


これから見る人はそこを知ったうえで見てください
その上で、私は全体的な映画としての評価はそこまで高いわけではないです
原作はわからないのでそこは関知しません
映像はきれいだと思う部分もありますがちょくちょく疑問に思うところ、とこに細部の描写が雑になっていたり不自然だったりする部分もあります
音楽、特にEDのテーマ曲は沖縄をイメージしたのかもしれませんが作品の雰囲気、ストーリーとの相関性で考えると違うと思います
最初にも書きましたが、ストーリーキャラクターへの掘り下げが足りてないとも思います
もう少し補完が欲しかった
唐突な感情の変化というのがネタバレなく言う上での限界ですが
異性愛というマジョリティの中で、同性愛のマイノリティという悩みを抱えていた、しかも中高生の時期でマイノリティに対して排他的になりやすい環境というのはわかりますし、そこからのトラウマというのもわかりますが、そこで支えてくれた人物その人物の悩みだったりに対しては寄り添う姿勢の見せれない(気づいていない?)主人公の弱さとそれが解決されたと言えないまま終わってしまうことは最大の疑問です
主人公の成長という部分、これが描かれきれてない(もっとも重要なポイントだと思うのですが)


ヒーローズジャーニーという考え方、行って帰る物語(或いは来て去る物語)という形のはずなのに、主人公は関係性だけ変わって、成長はほとんど感じられないまま帰るというのは主人公としてどうなんだろうかと
助けてくれる人、ライバルといった存在が良かっただけで主人公の旅はただの逃避になっているように思います
逃避の末に成長しなきゃ
それも、あえて変わらないというわけではない



詳しくは見てくださいとしか言えませんが、ネタバレなしだとこんな感じですね


こっから先はネタバレありの感想になります 
見たくない人はここまで

画像は公式サイトから


漫画★全巻ドットコム


さて、ネタバレあり感想ということで
キャラクターとストーリーについてですな
あわせて話していきます


まず、美央君に関して
彼に関しては描写の少なさが特に顕著で、離れていた間に駿を好きになった云々が全く描かれておらず、しかもその離れるまでが一瞬で終わったために始まったと思ったら3年後で好きになったと言われても!?としか反応できない
元々異性愛者だったのか或いは両性愛者だったのかはわかりませんが、駿に気持ちが行く要素はどこ!?
最初、気持ち悪いと言っていたのが家庭環境から来るものなのか同性からの求愛に対してなのか、その時は求愛とはわからなかったはずだがその後の展開から理由がおそらく後者っぽい……
そして1転して自分からぐいぐい行くようになったのはなぜ
家族のぬくもりを思い出したから、そのきっかけが駿だったから?
その場におばちゃんや絵理、鈴という女性もいて気を使ってくれていたが
その3人が駿が美央のことを友人ではなく恋愛対象として見ていたのを知っていたのは、そこの関係が良好であったから、悩みを聞いてそんな駿を受け入れていたからだろうけど
そこでもトラウマは解決していないようですが
じゃあなんですぐ下心だと言っちゃうのかという駿への疑問も出てきます


そのあと母との思い出がフラッシュバックされるようなシーンが多々ありますが、最後の水へのイメージの克服など効果はあるにしろ見せ方が全部同じだなぁと
結局家族を求めていてそこに性別はどうでもよかったのなら同性愛というところからは少し外れてしまうんじゃないの?とおもったり
ゲイバーのママ?に名刺をもらうシーンもそれだけでその後どうなったか、そこで何が変わったのか全く分からなくて、それならなぜそのシーン入れた? ただでさえ描写不足気味なのに駿君は一目ぼれだったのかもしれませんが、美央君は違うはずなのにそこの経過が分からないという
描かなくてわかるという部分ではないと思うんですが(付き合いも短いし)
美央君に関しては圧倒的描写不足
最後桜子ちゃんにキスをするのも塞ぐなら駿君の唇じゃないのとも思う
つかんで振り向かせてってできるはずだし
桜子ちゃんの悩みには美央君が共感できているようだったし、ちょっとした仲間意識みたいなもの(恋敵ではあるけど)を持ってたとしたらなおさら違うと思うんだけどなぁ
あれここまで全部私がおかしいのか?


駿君に関しては成長してくれとしか
あれじゃ屑キャラと言われてもおかしくない
悩み、トラウマあったうえでもなお手を差し伸べて気を使ってくれている人たちに対してあの態度、あの反応はないだろ
桜子ちゃんの話にもなって来るけど、中学か高校の時?男の子への憧憬の視線を送っているときに後ろからバレンタインチョコを投げるシーン
あれすごくいいシーンだと思うし、関係性を端的に表していると思う
「告白しないの?」
に対してするわけないって答えて
桜子ちゃんが「伝えなきゃ、どうにもなれないわよ。意気地がないのね」
に対しては「お前にはわからない」


この気持ちは全くわからないとは言えないけど
異性に対して気持ちを伝えるハードルと同性へ気持ちを伝えるハードル、相手は異性愛者なのか同性愛者なのかわからないし、異性愛者の方が数が多いとなれば確かにとも思うが桜子ちゃん視点で考えたら場合によってはもっと苦痛な状況でもある
同性愛者の男性に、異性愛者の女性である自分が気持ちを伝え続けているわけでそれは駿君が同性への告白をためらうのと同じだ
しかも駿君が同性愛者として悩んでいることに対して理解してもいるうえでだ
それ自体が、言葉に出さなくても桜子ちゃんの苦悩でもあるはずだし、気持ちを伝えられている駿君がそれに気づけないというのはあまりにも酷いと思う
その余裕がないのかもしれないが
桜子ちゃんにも余裕があるわけがない
伝えられない苦しみもあるだろうが、伝え続けても覆らないという苦しみもある
それ自体にどっちの方がつらいとかではない
ただ、気づかいだ
桜子ちゃんはその伝えられない苦しみに寄り添おうともしている
沖縄まで来たのも描写は少ないが、自分自身よりも駿君の家族のこと駿君自身を考えてのことだ
そこが、家族を失った美央君が共感、共鳴するポイントでもあるわけだが


昔のこともそうで、そもそも駿がいつから同性愛者なのかわからないのも問題だと思う
最初からそうなら
「桜子ならいいよ」(頬を赤らめて)はいったい何だったのか
そこの描写もわからない


美央君の言葉で駿君が気づいたとして、その後の行動も謎で結局美央が美央がで
桜子ちゃんを追いかけるのも美央君(そこに意味はあったが)
あの場で「とばっちり」などと表現できてしまうのが……


まさに桜子ちゃんのセリフ通り
「そこまでバカとは思わなかったわ」
結局駿君は最後まで子供だった
愛想をつかなかった桜子ちゃんはすごいと思う
その後のキスの件でも、恋敵である美央君への配慮と自分の感情の対比だったりすべて駿君を思ってが先に来ている
性別関係なくこれでは桜子ちゃん評と駿君評って人としてもうねぇって感じがするのだが
だってさ
その後のセリフ
「嵐かよ、帰って寝よ」
ですよ?
もう美央君に隠すことも強がる必要もないのに!?
シリアスから一変イチャイチャが始まるのもうん?
ってなったし
別に引きずれって話じゃないからね


桜子ちゃんでいえばなんかビジュアルがステレオタイプな美少女って感じだったのはなんでなんですかね
あえてそうしたのだろうか


やっぱり私の読解力足りないだけなんですかね?


BLっていう同性愛の方面から描かれている作品ですけど、異性愛との対比もあってその葛藤だったり悩みだったりっていうのが売りだとは思うんですけど
駿君の成長しなさ、変わらなさがそこにブレーキをかけている気がする
物語で一番大きな存在は間違いなく桜子ちゃんだったし
トリックスターの立ち位置でもあって、立ちふさがる試練でもあって、背中を押す存在で助けてくれる存在でもある
まあ、裏主人公ですね美央君以上に
愛する異性が同性愛者だったっていう側面の方が出来が良かった気がする(描き方として)


もしかしたら映画の製作陣がわざとそうしたのかもしれません
製作陣は女性が多かったので女性目線だとこうなるんですかね
私は男性なのでそこに味方、感じ方の性差があるならそれは受け入れざるを得ませんが
そういった意味では考えさせてくれる作品でしたけど
原作を買おうとならなかったので(描写不足あってなお)
そこはうーんどうなんでしょ


もちろんあれですよ
BLだから買わないとかそんなアホな理由じゃないですからね
藤崎封神演義のアンソロジーとかは持ってるしね


内容とは関係ないけどみんなで食卓囲んで飯食ってオリオンビール飲んでたのが印象に残ってますね
桜子ちゃんも加わった姿が見たかったな(公式絵の感じみたいな)




リゾートバイトダイブ