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なんかドラマ化するらしいですね『雪女と蟹を食う』 漫画感想オススメ 途中からネタバレあり

こんばんは
今回はオススメ漫画の紹介と感想みたいな感じですね
前からやりたかったことではあるんですが


あ、忘れてたりとか記憶違いとかそういうところあったらごめんなさい
あとは知識間違ってたりとかはあるかもしれませんそれもごめんなさいね
知ってる人は生暖かく見守っていただくか教えてくださいな


ではご紹介する作品ですが
『雪女と蟹を食う』ですね
私は最初ただタイトルに惹かれて手に取りました
漫画が原作で全8巻
既に完結しています

あと
これを書くにあたってはじめて知ったんですがドラマ化するらしいんですよね
しかも来月かららしい
2022年の7月8日から


お話はとある事情(最初その理由は伏せられている)により死のうとしていた主人公が死ぬ前に蟹を食べようと決意するところから始まります
 蟹食わないまま死ぬのか
と思って北海道に向かおうするわけです
それもたまたまテレビを見ながらデリヘルのチラシを見ていて北海道の蟹を食べる番組を見て決意するわけです
 人生最後の日は人妻より 北海道で蟹を食おう
その時のお金の残高は44444円
不吉ですね


まあこの決意と雪女がどうかかわって来るのかって話ですが
どうやっていこうとか、北海道のどこ行こうとか調べているときに一人の女性に図書館で出会います
一見運命の出会いには見えない出会い方ですがこの2人としては運命だったのかもしれません
まあ、物語とはそういうものだったりしますが
というか、運命の出会いというならそれが普通でも当人たちにとって特別であったということですし
実際に犯罪者ならこの後のことが事件になってしまうのかと思うと怖いところではありますが……リアルな想像はやめよう


ん? 犯罪者ってなに?っでしょうけど
この後主人公はこの女性を追いかけて家に押し入ります
金持ちの人妻だと思ったからですね……そしてこの女性が題名の雪女、雪枝彩女です
からの脅迫、レイプとなればただの犯罪事件になりますが
それだとこの物語始まりません
事情があるのは主人公だけではなかったわけですね
雪女には雪女なりの事情があったと


そして、雪女の金を使いレンタカーを借りて雪女と共に北海道で蟹を食べ、そして死ぬために旅立ちます
これだけでは説明不足ですが……
そして旅は旅でも逃避行です
まあどこ、何から逃げてどこ、何に向かうのかというのが重要です
外から見るとただの不貞旅行ですからね
勿論享楽の物語でもあるんですが
作中に享楽という存在しない日本酒が出てきたりもします(調べても出てこなかった)
飲んでみたい……元ネタ写楽だったら飲んだことあるけど
北海道に着くのは4巻だったかな?



ただこの作品はキャラクターそれぞれには背景、関係性に意味がありますから
主要キャラクターと言えるのはそうですね4人かな?
私から見ると4人います


これくらいならまあネタバレにはならんでしょう
オススメのポイントはやはりキャラクター同士の関係性と、あとは作品にちりばめられた小ネタがストーリーにもかかわってくることですね(それはもう小ネタとは言わんのでは?)
小ネタの要素としてはいろいろあります文学、宗教(一部)などなど


そして全員が全員人間らしいのも魅力ですね
リアルかどうかは置いておいても皆非常に人間らしい
清濁併せ吞むではないですが、善人たちの物語ではないですし
最初に不貞、犯罪から始まりますから
この2点、悪、罪と言い換えてもいいですがそれがキャラクター達にはのしかかっています
そんな人間模様を描いた作品なわけです
雪女もどこまでもヒトなのです!!


そしてこれも物語の典型の1つ、王道の1つヒーローズジャーニーです
行って帰る物語なんです、そこに注目して主人公は何が変わったか、何故主人公は彼なのか、彼視点の物語なのか
考えてみるのも非常に面白いですよ
あとは装丁というか表紙、や背表紙など綺麗でデザインもいいんだよねー

私が一番好きなのは5巻の表紙です
読んだ人からはよりによって5巻かよと思われるでしょうが
因みに、私この作品に出てくるキャラクターみんな好きですよ、嫌いなキャラはいない
私の嫌いになるキャラクターは基準があるんでわかりやすいといえばわかりやすいんですが


その旅の果て、北海道で何があるのか、蟹を食べてどうなるか、それぞれの罪、悪は!!
ラストは!!
そこは実際に読んで確かめていただければ


家にテレビが無いので難しいですが、私も機会があればドラマを見ようと思っています
アマプラに入ってくれー
ただティザー映像でどうしても気になるところがあるのでどうなんでしょう
バトルものとかではないので漫画のドラマ化と言っても聞いただけで嫌な予感がするといった作品ではないですし、ドラマ向きの作品だとは思うんですが……

ドラマ「雪女と蟹を食う」特報ティザー映像/テレビ東京
↑ドラマ公式サイトより
勿論、顔や体つきが似てる似てないとかそんな話ではなく
そういった変えようがないものではなくしぐさですね
図書館で雪女、雪枝彩女が去っていくシーンの髪をファサーってやるしぐさ
これがうーんってなります
まあ、私のイメージ或いは感じ方が間違っているかもしれないですが
あとなんでしょうね、ホラーではないんですよってとこかな?


ここから先はネタバレありになっていきます
見たくない人はここまで


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ではネタバレありで感想に行きましょう
基本読んでる前提で行きますよ
最初に書いた通り私も忘れてたり、記憶違い、知識が誤ってたりすると思うのでそこはご了承を


重要度低いところから行くと(あんま変わらんけど)
単純に回るところがいいなぁって思う
銀山温泉とか行きたいよ!!
旅行好きだし温泉はずるい
雪の美術館とかもね
あとは出てくる食い物がマジで美味そう
飯テロじゃねぇか!!
酒もな
上でも書いたけど享楽飲んでみたい!!(相手はおりませんが)
元ネタ写楽なのかなぁ



でもこういったお酒だったりの小ネタがいい味出してるよねぇ
まあ小ネタとして、対比としても大きいのは文学の方だけど
ただ問題があって作中に出てきた作品
『銀河鉄道の夜』『斜陽』『三四郎』
あとあったっけ?(思い出したら付け加えます)
まあ、とりあえずこの3作品ですが
全部読んでます、読んでますが詳細まで覚えてるわけではありません
なにぶんどれも小学生の時に読んで、それから読み返していないので
『銀河鉄道の夜』なんかはいろいろな作品で出てきたりするから読み返そう読み返そうとは思ってたんだけど
北さんもとい陽平さんと違って最後は覚えてたんだけどね
死の列車とまではいかなくてもその狭間みたいな変なイメージがついてた(あながち間違ってもないきはするけど)
3作品からだと、というか作者で考えると
宮沢賢治と太宰治がまあひとつの対比ですが
宮沢賢治嫌いといった彩女さんはかなり太宰治よりのキャラクターですし
個人的な感想でも太宰の方が読みやすいとは思います
宮沢賢治の方が純文学らしいとも思いますし、太宰治の方が人間らしいともね
心中ってのも意識されてる
水死だし


雪女が海で死ぬってのも面白いポイントだと思う
基本雪女って山の存在だし
昔民話とか読み漁ってたけど、海で雪女みたいなのは全然なかったと思う
海に女の怪は多かったけども
まあ、でもやっぱり彩女さんも人間らしいし
関係性の対比でいえば
北(陽平)×彩女
一輝×彩女
北(陽平)×マリア
等々いっぱいあるけど
マリア以外は全員不貞を働いていることになるし
しかしそれぞれの理由も違う
逃避の北(もうめんどくさいから北で)と彩女から逃げても彩女の面影のある一輝
あとは目的のある彩女さん
彩女さんはまあ一番めんどくさい人だね(身もふたもない)
自分の意思と無意識とで変わってくるから

saketaku


それぞれの罪ってとこでいくとだれもある種の罪を抱えてるわけだけども(マリア含め)
それも面白い
特に、主人公である北は最初特に罪はなかったところから始まって彩女さんと出会ったからこそ実際に罪が出てくる
前のは冤罪だし(元カノに対しての対応とかはあるかもだが)
しかしその冤罪もこの作品では1つの罪としてとらえるべきと思うけど
彩女さんがファムファタル的に映るのもそういった要因になってるけども
そしてそれぞれの罪がどう昇華されるかって作品でもある


宗教観とかもかかわってる気がするのよね
勿論死について考える上で宗教って大きな地位を占めるけど
最初はキリスト教的な死生観見たいので進んでた気がするけど
マリアの名乗りのことからも意識はされてるの間違いないし
その後のホテルでは坂村真民の『鳥は飛ばねばならぬ』が意識されて登場するし
それぞれの違った死生観が出てくる
或いは途中から作中に流れる死生観が変わるのかもしれない
その転換点がマリアなんじゃないか
マリアルートってのが全くないってことは無かったし
逆にマリアルートだったばあい、北にとって安易な幸せへの道だし
過去への回帰でもある
過去得られなかった幸せを取り戻す物語で、勿論マリアとのふれあいで過去について考えて北は間違いなく成長しているからこそマリアルートでもヒーローズジャーニーであるでしょう
その場合壁であり、仲間に当たるのが彩女さんになる
最大のチャレンジは自らの過去を吐露するところか、火事の所か
それも物語でしょう
著者も最後にたまたまこういった結果になったのだと言っていたし(それは最後生き残って結ばれたことだったが)
こういった物語の可能性もあって、ちゃんと成長の物語だった


実際にはマリアは選ばれなかったが
そうするとマリアと彩女さんの役割が逆転する
彩女さんの方が障害としては大きく
マリアという助けなくてはあの結果にはたどり着いていないだろう
マリアに先に過去を吐露し、マリアに認められ許され
マリアという可能性が提示されたからこその成長、そして別離になる


話を戻すと、マリアの手を取らず、彩女を選んだ時流れる宗教観がキリスト教から仏教的になったように感じる
死の感性の違い、仏教での死単体でなく生と地続きの生死という感性
それがその後の北たちのその後の選択につながる
坂村真民の詩が出て来るまで考えてもいなかったけど


北たちの行動に対してマリアは祈るという形をとった
彼らを救ってほしいと、神&死んでしまった顔の知らぬ息子(たぶん息子)に祈っている
彼ではなく彼らとするのが作品の魅力であり、マリアの魅力でもある
私はこの作品だとマリアが一番好きですが、別にマリア派ではないです
最後の絵葉書シーンで大満足です
問題の解決は必ずしも主人公とは限らないですから(それこそ身も蓋もねぇな)


そしてあの結果はきれいな形でヒーローズジャーニーを終わらせる
きちんと行って帰る物語、成長の物語になっている
やっぱり物語の基本形なんだなぁと
大学で学んでてよかった


書きたいことはこれ以上に多々あれど、とりあえずここらへんで
また書きたくなったらまた別の記事で書きます
大事なところは書いたと思うし
自分の中での抜けを思い出したらまた


そういえば最後の晩餐に飲んでたお酒はエビスでしたね
プレミアムホテルって名前だったけど
プレモルとのあいの子かな?
↑ごめんなさい
ホテルじゃなくてホテイでした
よく見たら恵比寿様じゃなくて布袋様でした……


DREAM BEER